やるせなさの風の中で             2005.2.28

 

 

 

やるせなさの風の中で

震える足を 大地につけて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遥か

  遥か

 

遠い あの人に向かって

 

手をかざし

      見通そう

 

 

 

 

 

 

夢は消え

その人の声は

遠のいても

 

 

 

 

 

 

ここには 暖かい胸と

 

 

物言わぬ

にぎりしめた手の中

 

 

 

 

 

 

届くことのない

あの人へ 心で書いた手紙

 

 

 

 

 

声にならぬ声で叫び

決して届かぬ思いを風に乗せて

 

 

 

 

 

 

 

いつか

ふたりで肩寄せ合って

お互いの瞳の中に宇宙を感じていたときのように

 

 

耳をふさぎ

目を閉じて

 

夢を見続けよう

 

 

 

決して

夢から覚めないように

 

 

 

 

 

 

 

それでも

今年も やわらかな風は吹いて

 

 

 

忘れたつもりの風景を映し出す

 

 

 

 

 

 

 

荒れ果てた広原をおおっていた雪は消え

緑に芽吹く気配さえ

春風のにおいが運んでくる

 

 

 

 

 

 

 

忘れることなど 望んではいない

 

 

 

 

思い出すこともない

それは今 そのものだから

 

 

 

 

 

どんなメッセージも

風に乗せまい

 

 

この 大地に立ち続け

 

 

 

なにもない空

なにもない心

なにもない この世界

 

 

 

 

それでも 春風は吹く

 

 

 

 

 

遠い海の向こうから

潮騒の音を響かせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつか  見た 空