なぜここに                2005.8.3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛は

不安定な 液体

 

 

おだやかに

落ち着いていたかと思うと

 

思いがけないことで

波立ち

 

流れ出す

 

 

 

 

 

『博愛』とは ほど遠い

エゴ

 

 

自分だけのものにしたい

 

自分だけを見て欲しい

 

 

 

 

誰か 他の人を見ていることに気付いてしまったら

波が泡立つ思い

冷たい水が 瞬時に沸騰する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業してしまったと

安心していても

 

あっという間に

足元をすくわれる

 

 

 

 

 

 

恋に落ち

 

  深みに

     落ちる

 

 

 

胸の苦しみは

どこにも やり場の無い

持って行きようがない 苦しみ

 

甘苦く 世界中を塗り変える

 

 

 

 

 

 

 

 

歩いていても

 

愛が

足を 前に出す

 

愛が

足を止める

 

 

 

 

 

 

 

 

聞こえるものは

 

聞こえるはずのない

あの人のささやく声

 

 

 

 

誰かと話していても

どこか うわの空

 

 

晴れた空を横切る

鳥の影が

地面を飛んでゆく

 

 

 

 

 

 

あの人の名前

 

 

 

 

 

 

 

その人が 名前を呼ぶ

昔の呼び方で

 

とうに忘れていた

違う名前と

 

同じ呼び方で

 

 

 

その人の瞳の奥に

むかしを

捜し

 

 

 

忘れていた体温を

思い出す

 

 

 

 

忘れていた印を

その額に見出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ

出会う

 

 

こんなに

今まで 平和だったのに

 

 

 

 

 

 

 

とうに胸の火は

消えたと

思っていたのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

忘れていた

胸の泡だちを

 

 

 

締めつけられるような

胸の苦しさを

 

 

 

 

 

やるせなさを

 

 

 

せつなさを

 

 

 

 

 

なぜ

 

 

 

 

なぜ

 

 

 

 

 

思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ 出会う

 

 

遅すぎる季節に

 

 

 

 

 

 

なぜ 今

 

 

 

 

 

なぜ あした

 

 

 

 

 

       なぜ ここに