小ぬか雨                     2005.5.31

 

 

 

 

 

朝からの小ぬか雨

すべての景色にグレーの幕がかかる

 

 

 

 

こんな日は

あざやかな黄色

さわやかな白

とっておきの 軽い色を 身にまとって

 

 

鼻歌を歌いながら

始めよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道行く人の 色とりどりの傘のあざやかさ

 

女の子たちの制服の鞄には

キャラクターのぬいぐるみが揺れている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころに嵐が吹き荒れていても

 

微笑みを浮かべ

花屋の店先で 色とりどりの花を

いつまでも いつまでも ながめていよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い焦がれる 感情は

どこから

来るのだろう

 

胸の奥の どこかしら深いところの扉が

震えて 開けようか閉まろうか 迷っている

 

 

 

 

 

   ふらんすへ行きたしと思へども

   ふらんすはあまりに遠し

   せめては新しき背広をきて

   きままなる旅にいでてみん    <萩原朔太郎「純情小曲集」大正14年>

 

 

 

 

 

 

 

 


 

ここではなく

どこか

たぶん、遠いところ

 

そこに

自分を待っている世界が きっとある

 

 

そんな気がする

あたたかい こぬか雨の 窓の向こう側

 

 

 

 

 

 

大きな窓を 押し広げて

 

 風を頬に受けながら

  風に髪をなぶられながら

 

大きく足を前に出して

 

さあ

 

 

 

 

 

 

電話の向こう側の

暖かな体温

 

 

濡れた髪の先も乾く

 

 

 

 

 

 

この世界の空の下

なぜ ふたつの魂

 

なぜ

なぜ

 

  偶然

 

      それとも