かなしみはとまらない            2005.9.27





だれかをうしなうこと




亡くした人は

決してかえってはこない




たとえ そのこころが

いつもあなたのそばにいるよと言われても



問いかけても

あのあたたかさのある声で

言葉をかえすことは

もう ない














日々の生活は しかし

それとは無関係にながれてゆく






わらうこともあるし

悲しんだり 怒ったりもする





人間関係の機知に疲れ

日々の生活の重みに眠りにつく





明日の心配を思い

昨日の栄光を追い求める












こころに思う、そのひとのことを






いま、こんなに頑張っているよ


こんなとき

どうしていたのだろう?











そのひとの存在は

切り抜いた型紙のように

こころのあちこちに跡をのこす





いつか、あの場所へ 行きたいと言っていた









空の白い雲


















誰も わかりはしない



時が癒す なんて うそ





時は 忘れさせてなんか くれない






もっと深いところへ

いつでも出し入れできるポケットへ



誰にも汚されることのない

こころの聖域にしまいこまれる
















わすれなくていい





自分が自分であるように

あたりまえのように

その存在はあるのだから





どんな雨もぬらすことができない

どんな雷もおびやかすことはできない



こころの深く 深く 深いところへ



けっしてもどってはこない



わかりたくはないが

わかってしまっている



映画のロジックのように

もういちど

家のなかをあるきまわり

その声で 自分の名を呼ぶ



そんなことは

もう二度と起こりはしない





それでも なお

そのひとは

いえのなかを歩きまわり

その声で よびかける




泣いて

涙のない顔で泣いて



笑い顔のなかで 泣いて


日々の生活の中で

涙の海におぼれる





だれも

この 透明な海のなかに

じぶんがいることを しらない













わからなかった






じぶんがこれほどまでに苦しむことを









こんな思いを

じぶんの愛する者たちに

味あわせることのないことを




いのる

























































死者は のろわない

死者は たたらない




死者は 愛する


愛を 教えてくれる





真実の愛のかたちとは

どんなものだったのか



やさしい声音や

やわらかな言い回しでなく



ちょっとした思いやりの仕草や

優しい言葉をかけることでもなく



真実の愛の ほんとうのかたちが

いったいどこにあったのか






ただ

その存在だけで





教えている