海 そして宇宙

 

 

ただ生きてゆくことはできるけれど

愛と思いやりにあふれた時間を生きることを心がけてすごすことをつい忘れてしまいます

 

自分のことは見えないから

相手を直そうとする気持ちはつねにあります

ちいさな言い回しから、ちょっとした考え方の癖まで

  違う・・・  違う・・・  違う・・・

 

違ってもいいのだと、なぜ自分の心にやさしく言ってあげられないのでしょう

 

相手の癖も、相手の習慣も、すべての自分との違いを近づけさせることではなく

違いを違いのまま それもあり と

 

 

よせてはかえす波のように すべてを呑み込んで なにごともなく

いつもと同じように そしてひとつとして同じでなく 時間は流れてゆきます

 

同じ24時間を 同じ一カ月を 同じ一年を 

どう過ごそうと 誰のところにも等しく時間は流れます

 

 

『 寝て十年、起きて十年 』 

寝ていても十年間はすぎ、

それと同じあいだ起きて過ごしても 時間は多くも少なくも流れません

この言葉は落語の世界に関連して聞いたのですが

どんなに才能があっても、年を経ないと出てこない”味”というものがある、

しかし、それまでの十年間を寝て過ごすか、

さまざまに人生修行をするかで大きく違ってくる ということでした

 

年齢を重ねて初めて見えてくるものもあります

えらそうにそんなことを言える年齢でもありませんが

それでも、蒼い時代には決して見えなかったものが見えてきます

 

見えかたは 人によってそれぞれでしょう

人の数だけ、あゆんできた道があり、風景があります

 

遅くてもいいし、立ち止まってしまってもいい

駈け抜ける人がかたわらをすり抜けていっても

よせてはかえす波のように 誰の上にも同じだけ時間は流れ

そして そこには時間だけが運んでくる魔法があります

 

行動したくてもしなかった人と

行動したくてもできなかった人

アメリカに行きたくて 夢を語りパンフレットを集めたけれど行かなかった人

アメリカに行きたかったけれど 病の床にある親を置いては行く気になれなかった人

どちらもその人の選んだ道

 

生まれた瞬間から 人は死に向かって歩き出します

寝て過ごそうと

あちこち歩き回って過ごそうと  同じ時間が流れます

 

肉体が活動するのをやめたとき

すべては海に帰り 宇宙に帰ります

 

おもしろい人生だったね 

 たのしい人生だったね

  しあわせな人生だったね

   もう一度 生きたいくらい いい人生だった・・・ ・・・