わかってもらえない

 

 

 

世界で、一人だけのDNA

ひとりひとりが 異なる情報を持つ

 

 

それぞれの情報は 複雑にからみ合って 人と人とのつながりを形成している

 

 

 

その中でも

特異な情報を持つ人は、その特徴が強ければ強いほど

周囲と自分との差に 苦しまなければならない

 

同じ嗜好の仲間を探して

あてどなく旅に出ても

同じようでいて ひとりひとりが みんな違う

 

今はインターネットと言う媒体が

かなりの部分を埋めてくれるにしても

 

自分と同じ血が流れる「生(なま)」の人間に会うまでには

用心深いやり取りがあり

 

誤解があり

落胆があり

嘆きを経験することもある

 

 

自分の特徴が 特殊であれば特殊であるほど

内に こもらないように注意したい

排他的にならないように 気をつけたい

 

 

 

世界は

いろいろな情報で満ちている

 

 

 

自分の、とうてい受け入れられないような 情報でも

時が流れ

自分が変化するとともに すんなりと受け入れられるようになることもある

 

 

 

自分が 当たり前と思うことが

           人には当たり前でないこともある

 

自分が 好きで好きでたまらないことが

               人には嫌なことであったりもする

 

誰かの「好き」は 誰かの「嫌い」

誰かの「常識」は 誰かの「非常識」

 

自分にとっての 当たり前が

          他人の目には 「奇行」に映ることもある

 

数の原理で、

多いほうが 少数派を非難する

 

時と場所が変われば、それらの基準も変化してゆく

 

 

 

 

 

わかってもらえないと嘆く前に

相手の立場からも 理解できるように

手順を踏む必要がある

 

自分にとって 当たり前のことが

相手の育った環境、

相手の中で育った常識が違えば

まったく理解できないこともある

 

めんどうな手順を踏まなければ、

『異質の』人と 分かり合えることは むずかしい

 

辛抱強く 相手が理解できるように

一歩一歩と階段を登ってゆけば 

『異質の』人と 分かり合えることほど 素晴らしいものはない

 

 

自分に合わさせようとするのではなく

相手に合わせようとするのでもなく

 

お互い異なった情報を持ちながら

重なり合う部分で、付き合ってゆけばいい

 

 

 

 

英国人には 中国語で話しかけないように

幼子には 大人の難解な言い方で話しかけないように

相手に合わせた話し方がある

 

誰でも、外国人に向かって日本語を話す時は

相手が分かるようにと 気を配って 表現を探す

 

ところが

同じ言葉を話す者どうしは

     相手が分かるように、とは 思わない

 

自分が表現したことが

そのままの形で 相手に伝わるものと信じてしまう

 

 

 

 

彼は わたしの心を 分かってくれない

彼女は 自分の言葉を 理解しない

 

男と女は 火星と 金星ほど ちがう

星と 星とのあいだに 道筋をつけてやらなければ

なかなか しっかりと つながりあうことは出来ない

 

 

 

 

わかっているはずだ と 思うことは ほとんど幻想に近い

自分の常識は 相手の常識ではない

 

特に 相手との関係に苦しむようなときは

ほとんど 立っている場所が違う

 

自分の予想の先に 相手はいない

いつも予想を裏切られて、違う常識の壁に突き当たる

 

予想の中で 『駒』を動かしても

現実の『駒』は とんでもない方向へと走ってゆく

 

予想も 想像も 期待も せずに

彼に(彼女に) 会えるだろうか?

 

 

 

 

 

世界で、一人だけのDNA

ひとりひとりが 異なる情報を持つ

 

だから、自分と あの人とは 

重なり合っていながら 全く違う側面を持つ

 

重なり合う部分が多ければ 楽かもしれない

けれど

重なり合う部分が ほんのひとかけらでも

 

その強さ

その深さ

 

それだけが 重要な輝きをもって 胸に突き刺さる

 

 

 

 

 

 

 

 

2004.4.3