約束された未来 

 

 

 

人は『約束』を好む。

約束されたものなど、ありはしないのに。

 

『約束された』未来を欲しがる

 

 

この職業でいいのだろうか

本当に自分にあっているのだろうか?

 

この人で、本当にいいのだろうか?

本当はもっと他に出会うべき人がいるではなかろうか?

 

この学校で良かったのだろうか

もっと自分に合うところがあったのではなかろうか

 

 

 

 

人は 『約束された未来』を欲しがる

 

 

今の職業が、どうもピンとこなくて

本当はもっと違うことがあるような気がするのです

 

彼(あるいは彼女、あるいは夫、あるいは妻)は

本当にわたしの魂の伴侶(ソウルメイト)なのでしょうか?

 

 

腕の中で寝息をたてている彼あるいは彼女が

ソウルメイトでないと聞いたら

その人を捨てて、

本当のソウルメイトを探す旅に出るのだろうか

 

あるいは、『東に行けば、ソウルメイトに出会える』と聞いて

東の果てで出会った人を、

あなたはわたしのソウルメイトだと 呼びかけるのだろうか

 

 

人は 約束の言葉を欲しがる

「そのとおりです。あなたの彼(あるいは彼女)はあなたの捜し求めていた人です」

それが占い師の声ではなく

真の神の声であったなら、どんなに安心できるだろう

 

その言葉に納得できるのなら、あなたの魂の伴侶を探す旅は終わる

 

いやいやそんなはずはない、

こんな男(あるいは女)が この自分の魂の伴侶であるはずがない、と思いながらも

迷いつつ、旅を続ける人も多い

 

※ 魂の伴侶を職業や学校、その他のものに置き換えても同じことが言える

 

 

 

結婚が自由意志ではなく、職業の選択もままならなかった時代は

あまり迷いが無かったと言われる

 

『決められた』職業、『決められた』パートナーでも

人は愛し、努力し、挫折しながらも その道を一心に生きた

 

自由にそれらを選べる今

愛し、努力し、一心にその道を歩むことさえ

惑い迷い、おぼつかない足取りで 人生の航路に旅立つ

波があれば惑い、嵐に遭えば大いに迷って、

 

「ここに行けば大丈夫」

「この道が正しい道」

「こっちへ行けば幸せになれる」   と 言って欲しい

 

『約束された未来』を欲しがる

『必ず』成功する道を 欲しがる

『必ず』正しい道を 行きたがる

 

 

人は誰でも、

「あのとき○○しなければ、こうなっていたはずだった・・・」という経験をもつ

 

 

『何かになれる』約束は何もない

 

どの道を行っても 

『何か』が手に入る

 

 

神の声によって『約束された』カナンの地は

ユダヤの民のものになったか・・・

 

『約束』は 「結果」ではない

その道を行けば

経験を『味わう』

道程が手に入ることが 約束されている

 

 

道を歩きながら

他の道を行けばよかったかも知れぬと

迷いの心を抱いていれば

 

うつくしい空の色も目に入らない

きれいな鳥の声も耳に入ってこない

 

道に金貨が落ちていても

踏みつけて それに気づくことがない

 

 

道を歩くときは 歌を歌おう

ゆっくりと

自分の歩幅で

 

 

ほかに いくつ道があったってかまわない

自分が歩いているのは この道

 

ある時は 埃(ほこり)が舞い

ある時は泥のたまりに足を取られながらも

雲の白さ

風のさわやかさ

雨のあたたかさを 全身で受け

 

楽しんで、歩いていけばいい

               宇宙の果てにたどり着くまで

 

 

 

 

 

 

 

2004.5.16