この思い、これだけが真実 

 

 

 

 

運命がふたりを出会わせたなら

どんなに抵抗しても

ふたりの心を引き裂くことはできない

 

当人同士でさえ。

 

 

 

ただ、

自分の意思で

相手を振り切ることが出来ると

幻想を抱いている

 

 

 

争い

傷つけあっても

 

深い、深いところからくる

なにか不思議な力で

引き寄せられてゆく

 

愛しあい

おたがいの魂の琴線をかき鳴らさずにいられない

 

 

 

 

それは かなしみに似た愛で

こわれそうな心をいだきながらも

 

相手の顔の向こうに

魂の顔を見る

 

彼、あるいは彼女の

目に映る姿の向こうには

真実(ほんとう)の姿がある

 

 

 

 

彼、あるいは彼女は

そこに立ちつくして

待っている

 

待ち続けている

 

ふたりの魂が

溶けあって

 

もういちど宇宙が

自分たちの中にあることを感じるまで。

 

 

 

 

激しさは なんの役にもたたないばかりか

物狂おしささえともない

恋する心をさらに苦しめる

 

 

 

奪い取るような思いが

心の奥底から噴き上がり

 

身をよじるような激情に 理性が吹き飛ぶ。

 

 

 

 

約束されたものなど どこにも無いのに

はるか遠い過去からの『約束』が

ふたりを追いかけてくる

 

 

 

ああ 忘れてしまえればいいのに

出合ったことなど 夢のひとかけらよりも軽く

風に流されてしまえばいいのに

 

会いたくて

声を聞きたくて

その視線をとらえたくて

 

時間(とき)が動く

 

 

 

忘れていた恋

もう、とうに過ぎ去ったと思っていた感情が

我が身を揺さぶる

 

 

空を見上げながら

どこまでも歩き続けたい

 

風に吹かれながら

いつまでも海辺を歩きたい

 

寄せては返す波の音に耳を傾けながら

永遠の潮騒に

地球が生まれたときのことを

思い出したい

 

 

 

 

恋をすると

だれでも詩人になると言うが

魂が歌いだすことを だれもとめられない

 

強く抱き合って

魂がひとつになったと思ったとしても

街をひとり歩けば

なにかが心のすきまに忍び寄ってくる

 

いつも

確かめずにはいられない

 

 

心は空を飛び

あやうく自分さえ どこにいるのか分からなくなる

 

 

(あい)に 恋(こい)

 

こころをじっと押さえつけて

恋人からの連絡を待つことの

苦しさと 楽しさ

 

 

夫、あるいは妻の

彼、あるいは彼女の

 

何気ない仕草から

ふと

愛がこぼれ落ちるのを見る

 

 

もう一度 会いたい

もう一度 初めから

 

 

もう一度

 

もう一度

 

 

そうやって

何万回

生まれ変わって

 

ふたりは出会ってきたのだろう

 

 

ときには憎しみ

 ときにはあらそいながら

 

愛さずにはいられないその運命を

なんども繰り返し

 

 

その人の腕のなかで

何万回

夢を見続けてきたのだろう

 

 

 

平凡な暮らしの中で

だれもが非凡な恋をする

 

 

運命に導かれ

他の誰でもない、『その人』に出会うため

 

不思議としかいいようのない

人生の曲がり角をなんども曲がり

出会うべくして出会い

 

 

会う

 

 

おたがいの瞳のなかに

自分自身の姿を見つけて。

 

 

 

 

あと、何万回 出会うのだろう

 

 

やっと 出会ったばかりだというのに。

 

 

 

恋は

初めから喪失感への恐怖を伴う

あまりにも

恋するがゆえに

 

 

出会っても

出会っても

 

 

まだ 足りない

この恋心ゆえに。

 

 

はるか昔から

はるか未来へと続く一本の道

 

ミトコンドリアから宇宙船まで

 

そこここに

あなたの影がある

 

 

ふたりは

宇宙のすべてであって

ひとり

 

 

 

 

目が覚めたら

「夢の中で、泣いていたよ。」

あなたは恋人に向かって言うだろう

 

 

ほほ笑みながら。

 

 

 

 

2004.6.11