寄せては返す波のように・・・ 

 

 

 

寄せてはかえす波

永遠に つづく潮騒

 

いったい いつの時代から

人は耳を澄ませているのだろう

 

 

 

山の木々の梢のすきまから

渓流のせせらぎの小さな岩の陰から

 

 

 

多勢の人たちが通りすぎる 雑踏の靴音から

 

 

 

風の音に 水の匂いをかぎ

雨の降る空に 虹を見る

 

 

 

 

 

耳を澄ませ 心を澄ませて

待ち続けている

【その声】が聞こえてくるのを

 

 

 

ずっとずっと昔から

待っていたよ

 

あなたのことを

 

ずっと あなたを

愛し続けていたよ

 

 

 

 

 

おとぎばなしのように

人は夢見る

 

自分を待ち続ける人が

この空のどこかにいることを

 

 

 

その人の背中には翼があって

自分には それが見える

 

その人の背中には哀しみがあって

それが心の竪琴をかき鳴らす

 

 

いつか必ず出会うと 知っているのに

出会うとそのことを忘れてしまう

 

はじめから

まるで生まれたての赤ん坊のように

おずおずと

そしてまっすぐに

 

相手に向かってゆく

愛さえ気づかずに

 

 

 

 

ずっとずっと待っていたよ

あなたのことを

 

あなたがいつか

わたしに会いに来ることを

 

知っていたから

 

 

わたしは

あなたを 待っていたのだから

 

 

ふたりを分けるもの

環境

習慣の違い

価値観の相違

過去

 

 

さまざまなものが押し寄せてきて

波の間に間にふたりを引き離そうとする

 

なにか不思議な力が働いたかのように

恋人たちには奇跡が起こる

 

いさかい

誤解

かなしみ

喪失感

偶然

引力

不思議

 

会わずにいられない、『なにか』

 

 

名前を呼んで

そして

 

「 愛している。」

 

そう 呼びかけて

 

 

 

闇の中からでも その声は響いて

どんな荒野の中にいても

あたたかな服をまとったかのように

ランプに灯をともす

 

 

風に吹かれているときも

その声はまぎれもなく

 

こころにまっすぐ聞こえて来る

 

 

 

音なき声を聞き

それに心ふるわせ

 

夏の朝露に

濡れる草の葉の上のひとしずく

 

光につつまれ輝きながら

花を咲かせてゆく

 

 

 

太古のカレンダーに刻まれた 【時】の約束

 

ふたりの出会い

 

 

どんな運命がふりそそいだのだろう

 

繰り返し

繰り返し

めぐり会い

 

 

幾千万 幾数億の 人々の中から

探し出さずにいられない

 

めぐり会わずには

この命を閉じることなど できやしない

 

 

あなたを呼吸し

あなたを味わい

あなたを愛さずには

 

この命が終わることはない

 

だから

 

あなたを愛するために

あなたとめぐりあった

 

永遠の愛と

永遠の命を手に入れよう

 

あなたとともに

 

 

森は深くなり

水音は高まる

 

昼の太陽は雲の中にかげり

空飛ぶ鳥も 影しか見えない

 

 

 

迷い、戸惑い、悩みながらも

その深い思いに強くとらえられ

その場を去ることは 出来ない

 

 

 

 

その人は 夢の中を 歩きまわり

自分は 目覚めて 風に吹かれている

 

心に洪水が起こり

なにかが 津波のように外へ出てゆこうとしている

 

揺り動かして

目覚めさせようか     それとも

 

自分も眠りについて

一緒に夢の世界を 歩きまわろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2004.6.22