せつなさの・・・ 

 

 

 

 

 

何かに夢中になっていると

せつなさを感じている暇はないかもしれない

 

ふと 深い森から吹いてくる風を感じると

人の心はふいにせつなさを思い出す

 

 

 

 

失って

もう二度と戻ってくることはない あの人

 

 

 

手を伸ばせば、

届きそうなのに

手を伸ばせば、こわれてしまいそうな あの人との あいだの空気

 

 

 

これほどの思いがあふれそうな相手を思う気持ちと

相手が自分を思う気持ちとのあいだの

あまりのバランスの違いに

心までバランスを失いそうな 陽だまりの中

 

 

 

失ったもの

失いそうなもの

失いたくないもの

 

 

 

 

こころはキリキリときしんでいるのに

相手に伝わることはない

伝えてはいけない

 

 

 

出会えたことだけを感謝できるほど

まだ心は・・・

 

 

生々しい体温

息づかい

 

深く息を吸い込んでも

心から何かが抜けていってしまう

 

 

失って 二度ともどらない あの人

失うかもしれない 心が見えない あの人

失ってしまったら 自分が壊れてしまうかもしれないほどの 思い

 

 

 

 

人は誰も独りきりじゃないことを 忘れてしまいそうな夜

恋をすると 星空をながめたくなる

 

月の光を浴びて あたたかな 夜を歩き回る

華やかな女たちが 笑いながら通りすぎる

ふいに耳に飛び込んでくる会話の断片

 

 

ひとりきりの心をいだいて 歩き回る

 

 

音楽を聴く

花を見る

空を見上げる

 

映画を見る

 

 

なぜ その人と離れているだけで せつないのか

他の誰でもない

その人でなければならない

 

 

優しい人と笑いながら話している時も

ふいにせつなさはおそってくる

苦しいような 重いような せつないような

 

 

ただ・・・

逢いたい

 

 

 

 

逢うことだけが解決であるかのように

ただ ただ 逢いたい

 

 

失ってしまった「時間」(とき)

 

 

 

車を飛ばして海の潮騒を聞きに行こうか

深い山々の幽玄の森を さ迷い歩こうか

 

 

 

 

 

 

 

 

2004.7.3