恋の風                    2005.2.8

 

 

 

 

 

目の前に

初めて見る 風景が 広がっている

 

大地の上に立ち

遠くまで見通せる この風景に 立ち尽くす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋の初めは

そんなふうに始まる

 

その人を 知りたい と 思い

その人の なにもかもが 新鮮に見える

 

 

 

 

空を流れる雲さえ

その人を思うために流れ

 

雨のしずくも

その人のために あるように思える

 

 

 

 

ため息は

どうして出るのかと 不思議

 

その人のことを思っただけで

 

 

 

 

 

 

鏡を見ても

その人のことを思っている

 

 

 

 

なにを見ても

その人のことが 心から離れない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せな恋人は

いつまで経っても 恋の初め

 

なにを見ても その人のことを思い

なにをしても その人 抜きには語れない

 

 

 

 

 

 

 

紅茶の飲み方さえ

いつのまにか その人の習慣に倣(なら)って

 

電話の声さえ

その人のために やさしげになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前に進めるのは

その人の 『存在』 が あるから

 

応援してくれても

してくれていなくても

 

 

 

 

 

 

自分が輝こうと 背伸びをするのも

その人のため

 

 

 

そらに手を伸ばして

風をつかもうとするのも

その人のため

 

 

 

 

 

 

 

疲れていても

笑い顔がみせられるのは

その人のため

 

 

 

 

いま ここで頑張れる

 

いつか その人に

がんばったよ と 笑顔を見せたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風に吹かれ

大地の上に立とう

 

 

広い森林を

広い草原を

広い都会を

広い海原を 見渡し

 

その上に広がる 青い空を見上げ

空を渡ってゆく星々の姿をを追い

 

 

自分を守るために

自分をかかえていた両手を

宇宙に向かって広げよう

 

 

 

 

 

 

 

 

恋心は叫び

 

 

 

まだ見ぬ

自分自身との出会い

 

 

 

 

美しさの船出

 

 

 

 

恋は

   あまたある

            星の輝き

                      宇宙の音色

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋しさは

おなじ心にあらずとも

今宵の月を

君見ざらめや         (源信明)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はかなしや

つらきはさらに

つらからで

思はぬ人をなほ思ふ身は           (性助法親王)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わが恋は

ゆくへも知らず

はてもなし

逢ふを限りと

おもふばかりぞ       (凡河内躬恒)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玉の緒の

絶えて短き命もて

年月長き

恋もするかな           (紀貫之)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋の風が 吹いている