あの人の影   2005.5.11

 

 

 

 

 

次の角を曲がったら

四次元に迷い込んで

新たな世界が待っている

 

指を組み ラッキーを祈る

 

その世界では

あの人は まだ恋人で

自分はしあわせに笑っている

 

パラレルワールド

 

 

 

 

 

 

思いもかけない 誤解

行き違い

 

非難

怒り

 

 

あるいは

 

 

 

疎遠

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにが 悪かったのか

思っても

思っても

返らない

 

 

 

 

失ったもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丸い灯りを長く軒先につるして

待とうか

あの人を

 

 

 

それとも

 

 

古臭いけれど お百度を踏んで

願をかけようか

 

 

 

 

どこに 扉はあるのだろう

あの人のもとへと続く扉は

 

 

水辺に降りて

美しい流れに手をひたせば

 

誰かが迎えにきてくれるだろうか

はるか

遠いところにあるという 竜宮へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空を見上げても

街を歩いても

あの人はかえらない

 

耳をすませても

遠くをながめても

あの人は いない

 

 

 

 

 

 

いつものように起きて

いつものように顔を洗って

いつものように歩き

いつものように人と会う

 

いつものように呼吸をして

いつものように生きている

 

不思議

 

 

 

どうして苦しみで死ねないのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あした

服が乾いたら

 

遊びに行こう

 

 

空へ

湖底へ

 

 

 

 

まだ見ぬ 深い霧の向こうへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空に近い山の上で

じっと雲をながめたら

 

日の光が いやしてくれるだろうか

 

鳥の声が 聞こえるだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黙々と登る

汗をかいて登る

 

息があらくなって

からだが沸き立って

 

 

 

歩く

 

 

 

空の中を

 

 

 

 

 

山の尾根道を

 

 

 

 

 

 

 

雲海を見下ろして

少し休んだら

 

 

なにもかも捨て去って

新しい自分になろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの人の影を

山の上に置き去りにして

 

うしろも見ずに

とっとと帰ってこよう

 

 

家に帰ったら洗濯だ(^^)

 

 

 

 

 

 

友達に電話して

「飲みに行くぞー!」と叫び

 

カラオケでは マイクを離さず ひんしゅくを買い

帰ろうとする友達を いつまでも引きとめ

 

 

家に着いたら

まずは テレビのスイッチを入れ

 

見たくもない番組を

真剣に一生懸命 見入る

 

 

 

 

最後のテストパターンまで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの人の影が現れたら

箒で はき消し

消しゴムでゴシゴシ消しまくる・・・

 

 

  (;^-^) そうそう その調子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人は死なない

  苦しみでは

 

         魂は死ぬけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ま いいか そんなことは (^^;))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころが死んだ自分が

陽気になって はしゃぎまわり

 

こころが こわれた自分が

いつもの顔で歩きまわる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとぜいたくしちゃおうか

前から欲しかったあれでも買って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本屋の店先で 何時間でも過ごし

用も無いのにあちこちの店をのぞいて歩く

 

なかなか家路に向かおうとしない足に向かって

そろそろ帰るぞと宣言し

 

小走りに駆け出して

 

疲れきって眠りにつく

 

 

 

 

 

 

夢は見ない

疲れて熟睡するから

 

見ない

 

 

 

 

 

 

 

夢など見ない

 

忘れてしまうから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あした朝 起きれば

陽気な一日が始まる

 

テレビをつけ

身支度をして

 

忙しい 忙しい・・・

朝は とっても忙しいのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレビの画面に

あの人の影が映る

 

 

 

 

似ている人はたくさんいる

でも

誰も ちっとも似ていない

 

 

 

 

番組を変える

 

朝は忙しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これなら

お気に入りの音楽でも聴いているほうがいい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎日が過ぎる

あの人がいないのに過ぎる

 

 

 

 

信じない

見ない

 

あの人が 存在しない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電話

メール

誰も

いない

 

 

 

 

 

 

朝のひかり

 

 

 

 

歩く

 

歩く

 

 

 

 

歩く

 

 

歩く

 

 

 

 

ただひたすら  歩く

 

 

 

 

 

 

歩いていれば いつかは

 

 

 

 

その人の影が抜け落ちて

思い出せなくなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その次の角を曲がったら・・・ ・・・ ・・・