こころは迷う
こころは 迷う。
いつも 迷う
迷い出て
さ迷っては
戻り
また さ迷い出ては
戻ってきて
迷い迷って
戻れなくなることも。
そんなときは
見知らぬ新しい風景の中で
新しい風にふかれていよう
こころは 惑う
その言葉に。
こころは 惑う
その瞳に。
こころは 惑う
その声、そのやさしさに。
ちいさな 言葉が
胸に突き刺さり
ちいさな 言葉が
心のつぼみを開かせる。
ほかの人とは ちがう。
かすかに なつかしい匂い
気の迷いなのか
思い過ごしか…
その人は そこにいる。
まるで はじめから
知っているかのように
戸惑い
迷っているのは 自分だけ。
自分の中だけで
夢を膨らませて。
自分の中だけで
夢を見ているのかも知れない。
冷たい粉雪も
あたたかい風も
空をおおう黒雲も
輝きに似て。
何もかもが いとしい。
とおく聞こえる かすかに呼ぶ声
耳を澄ませば
それは 遠ざかる。
不意に過去から
飛び出した風景
これから 起こることなのか。
それとも
なんの意味のないことなのか。
自分には 大切でも
その人には 届かない。
休みなく時を刻み続ける 時計の音。
誰かの足音。
ゆったりと流れる
光る音楽に 身をたゆたえて
眠る。
ふかく ふかく
どこか 知らない国まで。
眠る。
たどりつけるまで。
2005.12.6
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