あなたにずっと会いたかった
あなたに ずっと 会いたかった
ずっと あなたに会える日を待っていた
そんなふうに 言われてみたい と
誰でも ふと心をかすめる
日々の暮らしの中で そんな瞬間があったとしても
一瞬の閃きの中に
あれ?と 思う間もなく、通り過ぎ、
いつのまにか 忘れ去られてゆく
なつかしい人に 出会っても
なにやら 親しみがわく人だな と思うくらいで 流されてゆく
自分の心の奥底を 探ろうとしても とうに 潜り方を忘れてしまっていて
ひっかき回しても
子供の頃に ケンカして泣いた思い出くらいが出てくるのが せいいっぱいだったりする
いつから 手ばなしで 泣かなくなったろう
ずっと ずっと 会いたかった
そう言う代わりに 「おはよう」 「また明日」 「どうしたの?」
言葉は形を変えて 心に届く
ずっと ずっと会いたかった
出会って
一緒に なにをしたかったのだろう?
かすかな記憶の中から
何かが浮かび上がろうとしている
誰でも 出会うべき人に出会い
知らぬ間に 忘れていたメッセージを交わしている
苦しみは あなたが選んだこと
より 深い心を 持つために
悲しみは あなたが選んだこと
より 深いやさしさを 身につけるために
それらは
より幸せを味わうために。
愛を語り 愛を与えるために 生まれてきたのではなかったのか
与え、与えるために。
むさぼり求め、傷つき、悲しみに暮れることさえも
それを知らなければ
深く与えることも出来ない
痛みの中で 呼吸をし
孤独の中で 自らを傷つける
やさしさに出会うために
自分の中にある、あたたかさに気づくために
会いたかった
会いたかった
あなたは 誰に 出会ったのか
あなた自身?
それとも なつかしい 誰かに
会いたかった
会いたかった
あなたは 誰に 会いたかったのか
あなた自身?
それとも あなたが見ている、その人に
2004.3.31
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