もう一度…

もう一度 逢いたいと
ずっと 思い続けていた。

あれからたくさんの時が流れた。

あのころの面影は
すっかり影をひそめているのだろうか…

分かるだろうか?
私はあの人を分かるだろうか?
あの人は私をわかるだろうか?

それでもなお  もう一度、
もう一度だけ 会って、

食い入るようなあの眼で見られたい。

言葉を交わすことはなくても
もう一度あの瞳に 逢いたいと
ずっとずっと 願ってきた。

たくさんの出逢いがあって
たくさんの 上書きを繰り返してきた…

…はず。なのに、

あの人だけは今も
あの瞳のまま。

逢いたい と
ただ。逢いたい。…と。

遠すぎる過去を
引き寄せたかったはずなのに

わずかな手懸かりをたどることさえ
こわくて
ただ、時の流れに身をまかせたまま。

遠いかなたのあの人を
…思っていた。

新しい恋が
あの人を消し去ったように見えた時でも

あの瞳がまっすぐに
食い入るように見つめている。

もう一度 逢いたい

逢いたい

ずっと そう思っていた
ずっと そう願っていた。

いつかこの人生の中で。

2010.11.9

Posted by forshow