攻撃のやましさ
訳もなく、あるいは 信じられないような理由から
いきなり攻撃的になる人がいる。
いつも『自分は正しい』から
相手を責めたてる言葉が弾丸のように飛び出してくる。
人はびっくりして言い返すか、ただ唖然と
ふりそそぐ攻撃に首をすくめて身をさらすしかない。
攻撃的な人は 理論理屈が得意なだけに
反撃に出たとしても、火に油をそそぐようなものだから
人は大抵は黙ってしまうほかない。
自分が攻撃的な人間は、
そうして だんだん人が離れていってしまうことに
うすうす気がついているのだけれど、気がつきたくない。
人を攻撃する人は やましさをもっている。
自分の弱みを守るために攻撃する。
誰もが知っている、誰もが見ているのだけれど、
誰も指摘はしない。
おとなだから。
人を攻撃する人は、
自分をだまし、人をだましているつもりでも、
隠していたつもりの弱さが自分を裏切る。
愛を渇望しながら、愛を否定し、
相手を渇望しながら、
相手の尊厳を踏みにじる言葉を投げつける。
相手を傷つけながら自分自身を切り刻んでいる。
魂は血を流しうめき声をあげていても、
自分自身の心はコントロールできると思い込んでいる。
みずからの心を力ずくで押さえ込んで、
まるで何も感じてないかのように、
まるで鉄の意志をもっているかのように。
反対に、すべてあけっぴろげに
弱い自分、かっこ悪い自分、みっともない自分を、
白日のもとにさらしている…これほどの強さは無い。
非難されるのを 極端に恐れる人ほど、
激しく人を非難する。
すべては 自分に返ってくる。
人がだんだん離れてゆく。
隠そうとするから、弱みが出来る。
よく見せようとするから、装飾したくなる。
失いたくないから、夢を描いてみせる。
虚飾を嘘にしないためにパフォーマンスを見せる。
自分自身を完璧と思いたい『おとぎばなし』。
うしろ指さされまいと頑張れば頑張るほど、
行きたい方向とは違う方向へ人生が動き出す。
人につべこべ言われたくない気持ちが極端に強いと、早死にする。
つべこべ言われてもヘラヘラ笑っていられるくらいなら、
なにがあってもへこたれないから、そう簡単にほろびない。
自分自身を呪縛から解放して自由に空を飛びまわるためには、
とてつもないエネルギーが要る。
排することをやめて、
なにもかもを受け入れるように決めたときから
空が まわりだす。
2004.5.21
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